圧倒的なパフォーマンスを誇るスーパースポーツカーとして“深化”を続ける「NISSAN GT-R」。
日産のクルマ造りへの想いと挑戦を体現する特別な1台です。

GT-Rは、工場から出荷されオーナーの手に届けられて終わりとなるクルマではありません。
ご購入いただいた後も、スーパースポーツカーとしての性能を維持するためには、メンテナンスが必要です。
そして、その拠点となるのが、「NHPC(日産ハイパフォーマンスセンター)」。

日産大阪では、川口店岸和田南店高槻店宝塚店4店舗にNHPCを設置しています。
GT-Rの整備は、テクニカル・スタッフ(整備士。以下、TS)であれば誰でもできるわけではなく、
TSの最上位資格とテクニカル・アドバイザー(サービス受付職。以下、TA)の上位資格を取得し、
更に筆記試験や面談、特別訓練をクリアして、認定TSとして認められた人だけが出来る、特別な仕事です。

今回は、GT-Rの整備の専門知識と高度な技術を習得した4人の現役認定TSの皆さんに、
仕事のやりがいなどについてお話しいただきました。

MEMBER


日産ハイパフォーマンスセンター
宝塚店
サービス課 主任
テクニカル・スタッフ

清水 拓さん(33歳)


日産ハイパフォーマンスセンター
高槻店
サービス課
テクニカル・スタッフ

有村 良太さん(31歳)


日産ハイパフォーマンスセンター
岸和田南店
サービス課
テクニカル・スタッフ

松尾 拓哉さん(33歳)


日産ハイパフォーマンスセンター
川口店
サービス課 主任
テクニカル・スタッフ

本徳 光紀さん(30歳)

整備士があこがれる仕事

――皆さんは、なぜGT-Rの認定TSになりたいと思ったのですか?

清水
私はずっと宝塚店に勤務していますが、宝塚店にNHPCができ、先輩方が認定TSとして働く姿を見て、やりがいのある仕事だなと思いました。GT-Rは特別なクルマなので、ほかのクルマ以上に、整備には高度な技術と緊張感を伴います。また、NHPCとして、うちで故障の原因が分からないという結果は基本的に許されません。責任の大きい仕事ですが、この店にいる以上、絶対に自分もやりたいと思っていました。ですから、声をかけていただいたときは、「ぜひやりたいです!」と希望し、2013年に認定TSになりました。

有村
私は、入社時の採用面接の自己PRのときから、「GT-Rを触れる(修理出来る)ようになりたい」と希望していました。整備士である以上、自分に整備できないクルマがあるのは嫌だったんです。
入社当時はNHPCでない店舗の配属で、GT-Rの認定TSが存在することも知りませんでした。しかし、縁あって高槻店に異動になり、認定TSの先輩の姿を間近で見て、やはりいいものだなと思いました。認定TSは、お客様とお話しして、ニーズを聞き出すのも大切な役割です。私は人と話すのが好きなので、その点でもやりがいを感じました。
以前は、GT-Rに触れるようになるには10年はかかると言われていましたが、入社7年目で日産TS1級に受かったときに「ならないか」と声をかけていただき、2015年、認定TSになることができました。

松尾
私と本徳さんは、2016年にできた新しい応募制度に合格して認定TSになりました。入社7~11年目、30歳前後のTSの中から本社で人選し、その中から希望者を募って、筆記試験と面談で選ぶ仕組みです。
実は私は、このお話をいただくまで、認定TSになることは考えていませんでした。所属していた店もNHPCではなかったので、認定TSに会う機会もありませんでした。
ですが、GT-Rに触ることは、誰にでもできるものではありません。せっかく声をかけていただいたわけですし、整備士としての長い経験の中でプラスになると考え、手を挙げました。合格して岸和田南店に異動し、2017年から今の仕事に就いています。

本徳
仕事をするうえでの私の考えとして、「かっこいい仕事をしたい」ということがあります。また、学生時代から切磋琢磨してきた友人が先に認定TSになり、「あいつには負けたくない」という思いもあって、当時の上司に「なりたいです」と希望していました。
2016年の年末に、松尾さんと同様、挑戦する機会をいただき、ぜひ自分の力を試したいと応募したところ、無事に合格し、2017年4月から川口店でこの仕事をしています。

特別なクルマ、特別な仕事

――GT-Rと一般の乗用車の整備では、どのような違いがありますか?

松尾
スーパースポーツカーなので、一般の乗用車とは、エンジンからトランスミッションからブレーキから、すべてのつくりが違います。値段も高価ですので、工具が滑って傷をつけるなど、絶対に許されません。
整備をするうえで大きく違うのは、ホイールアライメントですね。4輪ホイールアライメントといって、タイヤの角度を100分の1度単位で調整する精密な作業です。認定TSにしかできない仕事です。
清水
認定TSだからといって、GT-Rの整備だけをしているわけではありません。GT-Rにかかわる仕事は、全体の1割くらいでしょうか。点検などについては、GT-Rもほかの乗用車も同じといえば同じですが、特別な調整が必要なこともあります。普通の乗用車に乗るお客様が多い中、GT-Rを選ばれる方には、乗り心地や走りに特別なこだわりを持った方が大勢いらっしゃいます。そういう方にもご満足いただける整備が求められます。

本徳
普通の乗用車についても最大限のことをしますが、やはりGT-Rは特別なクルマですので、何段階も上のことを求められます。それに応えるためには、自分たちの知識や技術力を日々、研鑽していかなければなりません。「黒のつなぎ(認定TS専用の制服)」を着て終わりではなく、そこがスタートラインですね。
また、我々の仕事は、ただクルマを修理すればよいというものではありません。街乗りしかしない方、サーキットを走る方などさまざまなお客様がいらっしゃいますので、ヒアリングをして、お客様がどういったことを望んでいらっしゃるかを把握し、そのご要望に沿ったセッティングします。お客様お一人お一人に合ったセッティングをし、乗り方のアドバイスなどもさせていただきます。
有村
お客様との距離は、普通のTSより近いと思います。お客様とお話しできないと、ご要望を引き出せませんし、大切なお車を預けるうえで大丈夫かと思われてしまいます。認定TSになるのに、日産TS1級だけでなく、日産TA2級の資格も必要なのは、整備の仕事とはいえ、お客様のニーズの把握が重要だからです。
GT-Rは、発売以来、さまざまな改善が加えられてきましたが、その中には、「そんなことして何になんねん?」と思うような細かな変更もあります。その「クルマづくり」の部分のこだわりを知って、GT-Rに対する見方が変わりました。GT-Rにお乗りのお客様の価値は、値段じゃないんです。整備代が高いか安いかということより、自分のニーズに合った高品質な整備を重視する方が多い。それが余計にプレッシャーであり、やりがいでもあります。

やりがいも責任も大きい

――GT-Rの認定TSになってうれしかったことはありますか?

本徳
整備士専門学校のオープンキャンパスでこれから整備士を目指す学生たちに話をしたのですが、思いのほか反応がよく、憧れのまなざしで見られたときは、自分が目指してきた「かっこいい仕事」ができているのかなと感じました。お客様の中でも、我々の仕事をご存知の方は、「すごいよね」と言ってくださいます。
また、お客様のご要望に合わせたセッティングをして、「よかったよ」という言葉をいただけたときは、「この仕事をしていて良かった」と感じる瞬間ですね。NHPCでは、基本的に入庫からお客様への引き渡しまでを1人で担当します。まだこの仕事に就いて1年ほどですが、お客様からご指名いただくことがあり、整備士冥利に尽きます。
清水
セッティングの前と後でうまく変化を付けて、お客様に「ここをこういうふうに変更したので、違いを感じていただけると思います」とご説明して体感していただき、喜んでいただけるのが、一番うれしいですね。
有村
単純に制服(黒のつなぎ)が目立つので、名前や顔を覚えてもらいやすい面があります。乗用車の点検をさせていただいたお客様からも、「有村さん、いますか」とご連絡いただけるのはありがたいです。
その分、責任のレベルも上がります。どの整備士もプライドを持って働いていますが、また違った、いい緊張感があります。今まで以上にプライドを持って仕事ができるようになりました。
松尾
スタッフの間でも目立ちますよね。「そのつなぎを着ているんだから、これくらいできるやろ」と先輩に言われたり(笑)。
私も、お客様と話す機会が増えました。新車の納車のときに「私が整備を担当させていただきます」と自己紹介をしたりするのは、普通の整備士にはないことです。お客様との関係が密になりました。
また、整備の仕事以外を含め、認定TSになってから新たに覚えたことがいくつもあり、自分自身の成長につながっているのもうれしいです。

目標をもって頑張れば、結果はついてくる

――GT-Rの認定TSを志す若手の整備士や学生に向けて、メッセージをお願いします。

清水
クルマ好きであることが第一条件だと思います。クルマが好きで、日々の仕事に真面目に取り組んでいれば、資格取得のためのスキルも上がっていくでしょうし、周りからも認められていくでしょう。
普段から、最低限のことだけ、言われたことだけしかしようとしないと、言われたことしかできない人になってしまいます。自ら主体的に行動すれば、誰にでもチャンスはあります。
有村
そう、チャンスは誰にでもある。日産の整備士学校出身じゃないとなれないとか、一般店舗(NHPC以外の店舗)に配属されたからなれないという縛りは、一切ありません。「同じ整備士なのに、整備できないクルマがあるのはおかしい」と思った私の感覚は、整備士や整備士を目指している人なら、共感していただけると思います。皆さんにも、そういう気持ちで頑張っていただけるとうれしいです。
目の前の仕事を頑張るのはもちろんですが、資格の勉強もしっかり取り組んでください。私も、以前は、「資格なんてなくても、仕事はできる」と思ってました。上司に「若いうちに資格を取れ」と言われても、当時は、その意味がぜんぜん理解できませんでした。しかし、実際に資格にチャレンジしたことで、やってみて初めて分かることがたくさんあると気づきました。それが分かってからは、私も、資格にうるさい人になりました。仕事をしながら資格の勉強をするのは大変ですが、やったらやっただけ身についていきます。

松尾
お二人と同じですが、日々の業務と資格の勉強ですね。資格の取得は、認定TSになる最低条件ですし、勉強した内容は、故障診断など普段の業務にも活きてきます。忘れてしまうこともありますが、一度覚えたことはすぐに思い出せますので、頭の片隅にでも入っていればきっと役に立ちます。
私は、NHPCに配属されるまで、「黒のつなぎ」を着た人を見たことがありませんでした。そんな人にもチャンスはありますので、やりたい気持ちをアピールして、あきらめずに夢を追いかけていってください。
本徳
GT-Rを触りたいなら、GT-Rに触りたいという明確な目標を持って仕事をすることです。そうすると、その目標に向かって何をしなければならないかは、おのずと分かるはずです。「継続は力なり」というように、気持ちを切らさず、モチベーションを保って取り組んでいれば、結果は付いてきます。仕事は決して楽しいだけではありませんが、頑張ったからこそ見えてくるものが必ずあります。 そして、認定TSになることは、ゴールではなく、次のステップへのスタートラインです。明確な目標を持つことでその先の選択肢も広がりますので、最初の目標として頑張っていただければと思います。

――本日は、ありがとうございました。

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