今後の目標
まずは、TSCの一員として新人の育成や日産大阪の技術者全体のレベルアップに貢献することが目標です。その後は、日産自動車本社で学んだ技術や知識をTA・TSにとどまらず社内に広め、難易度の高い故障にも対応できる組織づくりなど、新しいことにも挑戦していけたらと思います。
人財戦略部 TSC 係長
2005年入社
※掲載内容は取材当時のものです
入社後に配属された宝塚店でTSとして豊富な経験を積む中で、高度な技術・知識を要するGT-Rの整備にも関わる。その後、「日産メカニックチャレンジ」の参加や日産自動車への出向を経て、現在はTA・TSの技術力向上や働く環境改善に取り組む部門であるTSC(テクニカルサポートセンター)で人財育成に携わる。
日産自動車のGT-Rのカッコ良さに魅せられて、中学時代から日産系列の企業でメカニックになりたいという夢を持っていました。日産大阪入社後は宝塚店に配属され、TSとして日々先輩たちの作業を間近で見て技術を覚えられるという恵まれた環境で働くことに。最初は、オイル交換や新車点検、車検などを任され、2、3年目には重整備や故障診断など、高度で難解な整備も担当できるように成長できたのはありがたかったです。同時に先輩がGT-Rを整備する姿を見て、「自分も早くあんな風になれたら」との思いがより高まったのもこの時期です。
所属している宝塚店が、GT-R特別教育を受けたTSが常駐し、特別な設備を備える「日産ハイパフォーマンスセンター」として認定されることに。迷わず日産GT-R認定TSの試験に挑戦し、同センターで活躍できるチャンスを得ました。ずっと憧れていたGT-Rの整備に関われる嬉しさを感じながらも、日産車の中でも一番高価で、数多くのファンがいるクルマを扱う責任の重さを実感。レーシングカーとしての性能を持つクルマならではの、各パーツのシビアな調整や性能をさらに高めるための整備など、通常のクルマではできない経験を積み、知識も技術力もレベルアップすることができました。
GT-Rの整備や顧客対応を経験した実績が評価され、30歳の時に店舗のTS全体をまとめるチーフに抜擢されました。年下・年上を含めた8名をリードする立場となった私が注力したのは、各メンバーの技術力を向上させること。意識したのは自身の持つノウハウを、どれだけわかりやすく伝達するかです。たとえば、自然に見て覚えさせるのではなく「これからこういう作業をするから、よく見ていてね」と意識的に声かけを実施。目的をしっかりと伝えてから作業内容を見せることで、技術を習得しやすいよう配慮しました。このような学びやすい環境づくりにも取り組んだ経験は、今、人財育成の仕事をする上で、自分自身の土台にもなっています。
2019年に始動した、近藤真彦監督率いるKONDO RACINGと日産自動車・日産自動車大学校が共同で取り組む人財育成プロジェクト「日産メカニックチャレンジ」。全国の日産販売店から選抜されたTSが国内最高峰レースである「SUPER GT・GT300」で整備を経験できるこの企画に、日産大阪から第1号として参加できる栄誉とチャンスをいただきました。仲間と共に切磋琢磨しながら挑むレースの現場は、刺激と驚きの連続。何より、技術者たちが持てる最高の技術とノウハウを駆使し、チームが一つになって優勝を目指す、そんな貴重な時間を過ごしたことは、私の生涯の財産となっています。
日産メカニックチャレンジに参加した同年、兼ねてから希望していた日産自動車本社へ出向できることに。販売店では対応できない難易度の高い故障案件を一手に引き受ける部門で経験を積み、複雑な故障診断や高度な修理知識についての理解を深めることができました。そうして2023年の春、現在所属する社内のTA・TSの人財育成を担う部門「TSC」に配属されました。これまで培ってきた現場での整備知識をはじめ、日産GT-R認定TSやチーフの経験、またレースや日産自動車本社で学んだこと、これらすべてを活かし、未来を担う若手技術者を育てていく仕事は、まだスタートしたばかりですが、大きな手応えを感じています。
まずは、TSCの一員として新人の育成や日産大阪の技術者全体のレベルアップに貢献することが目標です。その後は、日産自動車本社で学んだ技術や知識をTA・TSにとどまらず社内に広め、難易度の高い故障にも対応できる組織づくりなど、新しいことにも挑戦していけたらと思います。
日産大阪に入社してこれまで、私は自分がやりたいと思ったことを次々と叶えてこられました。この背景には、社員一人ひとりの将来や成長を大切に考えてくれて、積極的に手を挙げることを応援したり、チャンスを与えてくれる社風があるからだと思います。成長できる環境が整っている事は本当に幸せなことだと思います。